住宅ローンの固定選択型と変動金利型を比較
前回は、固定金利型と変動金利型のどちらが有利か、非常にざっくりとしたシミュレーションモデルを作って検討しました。
今回は、同じモデルを使って、固定金利選択型と変動金利型のどちらが有利か検討したいと思います。
仮定したモデルは、下記の通りです。
◆ 変動金利型:年利1%
◆ 変動金利選択型(5年):年利2%
◆ 固定金利型(35年):年利3%
ローン期間は35年とします。変動金利が毎年均等に上昇するものとし、変動金利選択型は常に変動金利型より1%高いと仮定します。
この仮定の計算を精緻におこなってもしょうがないので、非常にざっくりとした値を簡単に得るために、年利と設定期間のたたみこみ積分が、返済利子総額に比例しているとします。
固定金利選択型は5年間固定とし、5年間が終了すると、さらに5年づつ固定期間を続けていくものとします。
まず、変動金利が毎年0.1%づつ上昇し、35年後には4.4%になったと仮定します。
その場合、変動金利型の年利の積分値は94.5%、固定金利選択型は122.5%となり、変動金利型のほうが有利になります。
金利設定時には変動金利型のほうが1%少ない年利になると仮定しているので、5年間の間にかなり金利が上昇しないと、1%分の利子上昇分を取り返せません。
ちなみにこの条件で、変動金利選択型のほうが有利になるのは、変動金利が毎年0.6%づつ上昇する場合で、その場合35年後には21.4%になります。
これは、いくらなんでも、ありえませんよね。また、変動金利のほうが有利になる別の条件として、5年ごと金利設定時は金利が低く、設定された後に金利が2%以上上昇し、5年後にやってくる次の金利設定時には、また金利が低くなって・・・ということを偶然繰り返してくれるといいのですが、そんなに都合よく金利が動いてくれるはずはありません。
結論として、この検討の範囲内では、固定金利選択型を続けるという方針は、変動金利型に比べて不利だといわざるを得ません。
今度は、途中で変動金利型から固定金利選択型へ変えるという「自由選択型ローン」ならではのケースを考えてみましょう。
毎年の金利上昇が0.1%と緩やかだと仮定すると、5年後に切り替えた場合の年利積分値は118.5%、10年後に切り替えた場合は114.5%、15年後に切り替えた場合には110.5%と、固定金利選択型へ切り替えるのが遅ければ遅いほど有利です。
それは、先ほどの例と同じ理由で、5年間の中で金利変動が少なければ、当初の金利高分を補うことができないからです。
そう考えると、「自由選択型ローン」のメリットはあまりない、ということになりそうです。
あくまでも、金利の急激な上昇があり、なおかつ、急激な上昇の前に固定金利選択型へスイッチするという神業ができる人しか、うまみはなさそうです。

