失火責任法って何?
今回は、失火責任法についてお話したいと思います。
一般に、住宅を購入する際、住宅ローンにより借り入れを行う場合が一般的です。
その際、土地や建物を担保にすることがほとんどです。ひとたび火災が発生し、建物が全焼した場合など、担保物件が消失することになります。
火災の原因とはどんなものがあるのでしょうか、総務省消防庁のWEBサイト(http://www.fdma.go.jp/html/new/geninbetu.html)によると、出火原因は下記のようになっています。
1位:たばこ(11.8%)
2位:放火(10.0%)
3位:放火の疑い(8.9%)
4位:たき火(8.9%)
5位:こんろ(8.8%)
6位:火あそび(4.6%)
7位:ストーブ(3.5%)
原因の第二位、第三位の放火はともかく、タバコ、たき火、こんろ、火遊び、ストーブなどは、気をつければ防ぐことができるようにも思います。
特に、タバコは吸わない、オール電化でガスや火などは使わない、小さい子供もいない、となれば、出火原因となる危険性はかなり減ると思います。
その場合、火災に対するリスクは低いとみていいでしょうか? 火災に対するリスクが低ければ、火災保険などに入る必要も無く、保険金を住宅ローンの返済に充てればいい、という考え方もできます。
しかし、注意しなければならないのは、出火の原因となるのはあなただけではなく、近所で起こった火災から延焼してくるかもしれないということです。
特に、マンションなどの集合住宅では、壁一枚隔てた外はお隣さんが住んでいますので、お隣さんから出火するリスクを考慮しておかなければなりません。
民法では、故意または過失によって他人の権利を侵害した場合には、損害を賠償しなければならないと規定されています。
例えば、自動車を運転していて交通事故を起こした場合、故意ではなくても過失が認められると、過失分に応じた損害賠償を支払わなければなりません。
損害を与えた対象が住宅の場合にも、基本的には損害賠償の責任があります。例えば、自動車のブレーキとアクセルを踏み間違えて、住宅に突っ込んでいった、などの場合です。
しかし、火災を起こして延焼などで他人に損害を与えても、過失が重大ではない場合には、賠償責任を負わなくてもよい、とされています。それを規定しているのが失火責任法です。
失火責任法自体は、明治時代に制定されたかなり古い法律で、木造家屋が密集する日本では、火災が発生してしまうと広範囲に延焼してしまうケースがあり、出火した側にそのすべての責任を負わせるのは酷だという配慮があるようです。
重大な過失に相当するものとして、「寝たばこ」「てんぷら油の引火」「布団に入れた電熱器」などが上げられますが、逆に言うと、それら以外の出火原因(例えば、タコ足配線などからショートした、など)の場合、火元となった隣人は、何の賠償もしてくれません。
そのような意味で、自分が火元になるリスクが少ないとしても、火災に対するリスクは軽減されません。必ず、火災保険に加入して、住宅ローンが破綻してしまうリスクを軽減するべきだと思います。

