住宅ローンの頭金はゼロでもいい?
前回は、頭金に関するシミュレーションを行いました。頭金ゼロで3000万円の住宅を35年ローンで購入したAさんは、総返済額は約4,849万円になりました。
10年間社宅暮らし(月3万円)で貯金したBさんの頭金は1025万2800円になり、3000万円の住宅を25年ローンで購入しました。
総支払額(社宅代+頭金+ローン返済額)は約4195万円になり、頭金をためたBさんのほうが断然得だという結果になりました。
今回は、Cさんに登場してもらい、別のケースのシミュレーションを行ってみたいと思います。
Cさんも、AさんやBさんと同じで現在30歳です。Bさんと同様に10年間住宅購入の頭金をためることにしますが、Cさんの現在の住まいは賃貸住宅で、月々9万円支払っています。
10年間の支払い金額をAさんやBさんと同額の11万5455円にするため、Cさんは毎月2万5455円づつ貯蓄することにします。
10年後の頭金は、305万4600円になっています。Aさん、Bさんと同じように3000万円の住宅を購入します。頭金は住宅金額の約10%になっています。借り入れ金額は2694万5400円になります。
この時点でCさんは40歳です。AさんとBさんと同じように、65歳でローンを完済するために、25年ローンを組みます。
ローンの条件は、元利均等返済で、年利は3%、ボーナス時の加算なしとします。月々の支払額は127,800円になり、ローンの支払額は3834万円になります。
10年間の賃貸住宅代は9×12×10=1080万円なので、この35年間に住宅に関してかかった総支払額(社宅代+頭金+ローン返済額)は約5219万円になりました。
数字を羅列するだけではわかりにくいので、3人の支払いをまとめると、以下の表のようになります。
表 住宅関連の支払額の比較
| Aさん | Bさん | Cさん | |
| 頭金 | 0円 | 約1025万円 | 約305万円 |
| 社宅・賃貸代金 | 0円 | 360万円 | 1080万円 |
| ローン支払い額 | 約4849万円 | 約2810万円 | 約3834万円 |
| 総支払い額 | 約4849万円 | 約4195万円 | 約5219万円 |
10年間頭金を貯めたBさんの総支払額が最も少なく、同じように10年間頭金をためようとしたCさんの総支払い額が多くなりました。この差はどこから、来ているのでしょう?
BさんとCさんの違いは、頭金を貯めるスピードです。Bさんは社宅代が安かったので、毎月8万5455円づつ貯めることができましたが、Cさんは賃貸住宅代が高く、毎月2万5455円づつしか貯めることができませんでした。
実に3倍以上の差があります。その差が頭金の違いになり、頭金が少ないCさんは、ローンの支払額を抑えることができませんでした。
このシミュレーションから言えることは、頭金を貯めるのであれば、効率的に貯めないと、総支払い額を抑える効果が少ないいうことです。
現状の賃貸住宅の出費がかさんで、貯蓄がままならない状態なのであれば、逆に頭金ゼロでも思い切って住宅を購入したほうが結果的には安上がり、というケースも十分考えられます。

